1500kgの梅干し

甲津原漬物加工部

「今年は梅がようけとれて、1500kgつくったんじゃ」
もうじき85歳、甲津原漬物加工部の山崎トミ子さんは笑顔で言いました。


このすごい量、
80代 3名、60代 2名、たった5名の甲津原漬物加工部のお母さんたちでつくられます。
材料はシンプル、伊吹山の梅、塩、もちろん無添加!
甲津原仕込み、美味しい梅干しです。
人気商品のため、昨年つくった梅干しは、今年の春には売り切れていました。

1500kg!

家庭で漬けられる梅干しは2〜3kg、多くても5kgほどではないでしょうか。
漬物加工部では毎年1,000kgの梅干しをつくり、販売されています。
そして、今年はなんと1,500kg!
すごい量です。
収穫から完成までの4か月間、お母さんたちの梅仕事を紹介します。

甲津原育ちの梅干しができるまで

○6月中旬〜下旬
梅雨の合間に甲津原営農組合のみなさんで、伊吹山麓の自然豊かな梅園へ梅もぎりに行きます。
私も毎年家族で参加しており、子どもたちも楽しんでお手伝いしてくれます。

収穫後、次々に加工部へ運びこまれる梅を、奥伊吹のきれいな水でていねいに洗い、まずは梅を塩漬けにします。
100kgずつ、塩をまぶして樽に入れ、重石をして梅酢があがるのを待ちます。


○7月中旬
梅1000kgに対して赤紫蘇1000束(枝付き)を用意します。
こちらもすごい量です。
枝から葉を摘む作業は時間がかかるため、いつも近くのお母さんたちがお手伝いに来られます。


摘みとった葉は、何度か流水であらいきれいにし、ザルでしっかり水をきります。

次に葉をたらいに入れ、塩をふりしっかりもんで、かたくしぼり丸めます。
丸めたものをほぐし、また塩をふり、もんでかたくしぼる。

これを3回くりかえし、アクと水気をしっかりぬきます。

次に、しぼって丸めた葉に梅酢(梅を塩漬けしできた梅酢)を入れます。
葉をほぐし梅酢にからめると、きれいな赤色へ、赤梅酢になります。

ここまでの作業は、かなり体力をつかいます。

○天日干し(1回目)
並行して、紫蘇を入れる前の梅干しを一度天日干しにします。(白梅干し)
お山の陽射しをあびてふかふか、なんとも美味しそう。


白梅干しを樽へもどすとき、赤梅酢に漬けていた赤紫蘇を網袋に入れ、樽の底と中と上に置きます。
梅がまんべんなく赤くなるよう、紫蘇で梅をはさむのです。
このとき、お砂糖も少しまぶし入れます。

○天日干し(2回目)
10〜15日後、天気の良い日に本干しをします。


本干しが終わると、また梅酢の入った樽にもどすのですが、さらに色がよくなるよう、新しい赤紫蘇を樽の底と中と上に置きます。
最後にカビが生えないよう焼酎を少し注ぎます。

2か月間ねかせて完成!

1樽100kgずつあけて、パッケージにつめます。
品薄になったら次の樽をあけ、1年間かけて販売されます。
赤紫蘇は、干して「ゆかり」(ふりかけ)にして販売、こちらも人気商品です。

甲津原の梅

なにもかも自給自足、自然と向き合い支え合い暮らしてきた土地。
「昔は甲津原にも大きい梅の木があって、それぞれ家で梅干しをつくってた。
漬物加工部ができて、梅干しをつくることになったとき、ここは雪が深いから、梅がとれる時期も遅いし、大きさや量もそろわないからと、いまのようになった」
とお聞きしました。

加工部では、梅干しづくりだけでなく、旬の山の素材でお漬物、予約制の山菜お弁当、毎週末は喫茶麻心のランチとカフェメニュー、トチ餅、ヨモギ餅、集落で栽培される在来の伊吹蕎麦も製麺して…
手づくりに大忙しの日々。

梅干しのちから

梅干しは「1日1粒食べると医者いらず」といわれる健康食品で保存食。
白ご飯やおにぎりにはもちろんのこと、風邪をひいたら梅のお粥のやさしさに助けられ、体を整えてくれます。
お魚と炊けば臭み消しにもなりますし、我が家の定番は、鶏肉に米粉をまぶして炒めて、たっぷりの梅肉と紫蘇をばさっとかけて、からめていただきます。
味つけは梅のみです。

みなさまも甲津原育ちの梅干しをあじわってみてくださいね。
甲津原交流センター内にある喫茶麻心道の駅旬彩の森orite米原などで販売されます。

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