甲津原営農組合
甲津原営農組合とは
過疎化と人口減少によってできた耕作放棄地を、平成の初めに圃場整備をして平成6年に営農組合を設立しました。
整備することによって機械作業が容易になり、また水の管理もし易くなり自然環境を守ると同時に作業効率が上がりました。
甲津原の米
水田の作業は、雪が溶ける4月終わりころに組合員が出て苗代をして種籾を撒き、5月下旬に田植えをします。
9月終わり頃には、刈り取り作業を協力して行います。
甲津原は、滋賀県の北東部に位置する伊吹山地の西麓に所在し、姉川上流の谷部に形成された山村です。この地域は西日本屈指の豪雪地であり,冬季には集落内でも約3メートルにもなります。山から湧き出る豊富な冷たい水。豊かな自然の中、この土地ならではの気候の寒暖差を活かした水稲栽培を行っています。
2016年には、「第18回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」において、「特別優秀賞」をいただきました。
甲津原の米の数値は食味値89点・味度値86点でした。
2021年には、近江米食味コンクール「環境こだわり部門」最優秀賞(知事賞)をいただきました。
現在においても、甲津原の自然環境を守りながら、より美味しいお米を作ることを目指して日々試行錯誤しています。
在来種 伊吹そば
2019年、長年にわたり地域で育まれ、守られてきた特徴ある産品の名称を地域の知的財産として保護する農林水産省の地理的表示(GI)に「伊吹在来そば」が登録されました。
伊吹そばは、1000年以上の歴史があり、江戸時代にはその品質の高さから「伊吹在来そば」は日本中で知られる名物となりました。俳人松尾芭蕉の弟子、森川許六が編んだ「本朝文選」(1706年)には「伊吹蕎麦。天下にかくれなければ。からみ大根。又此山を極上とさだむ。酒々落々の風流物。誰か是を崇敬せぬものはあらじ」と記され、とても人気がありました。
伊吹そばは、8月中旬頃に種蒔きをします。そばは水に弱いので、圃場の排水対策は不可欠です。9月中旬頃から白い花が咲き始めます。
収穫までの間は、こまめに草刈りをします。
10月下旬、そばの実が黒くなったら、コンバインで刈り取りをします。刈り取ったそばは、自分たちで粉にし、製麺をして提供しています。
漬物加工部とは
山間部で四季を通じて山の豊かな食材が豊富にあり、山菜から木の実まであります。
加工部ではこの豊かな自然の恵みを活かして、地元特産のみょうがやフキ・赤カブラ・山菜を使った漬物や梅干し。麹と大豆を使って昔ながらの冬の気候を生かした米味噌などを全て手作りしています。大豆あん入りのとち餅や、よもぎ餅などもおすすめです。
「「奥伊吹甲津原育ち」そばプリン」は、令和2年度優良ふるさと食品中央コンクールで農林水産省食料産業局長賞を受賞しました。
漬物加工部の経歴
昭和58年 | みょうがの生産が始まり、みょうが生産組合が設立。 集落で特産化しようという動きとなる。生みょうがを当初は京都市場にも出荷。 |
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昭和61年 | 小ぶりのみょうがは安値でしか買ってもらえないので加工し、販売することになる。 栽培から3年目、みょうがの生産組合の女性8人で「加工部」と名付け漬物を作り始める。 みょうがの粕漬けやしば漬け。梅など販売。 |
昭和61年 | 農林水産まつりのふるさと食品コンクールで、みょうがの粕漬けで「知事賞」を受賞。 甲津原漬物加工部設立。 |
平成3年 | 真空機・熱湯消毒機導入。商品を5品目に増やす。 全て地元甲津原で採れたものにこだわる。 |
平成6年 | ジョイ伊吹(伊吹薬草の里文化センター)へ毎週土曜日に対面販売へ行く。 山菜弁当始める。 |
平成7年 | 平成7年3月17日。中日賞を受賞。 |
平成8年 | 赤かぶらの酢漬け販売。 |
平成9年 | 甲津原交流センター設立。 一角に漬物加工部の加工場が出来る。 |
平成10年 | 平成10年3月7日。農業生産者大会で表彰。 |
平成11年 | 漬物寿司を販売。 |
平成12年 | 平成12年7月27日。全国農業コンクールで全国大会東海近畿地区代表として出品出場。名誉賞。 |
平成13年 | 平成13年11月2日。東京にて山菜弁当作る。食アメニティコンテストで農林水産大臣賞を受賞。 笹麦茶販売。 |
平成14年 | 菊寿司販売。 |
平成15年 | 餅販売。 |
平成16年 | 味噌作り始める。 |
平成18年 | 売店喫茶麻心magokoro(甲津原交流センター内)で土日祝日のみ、漬物や味噌を販売。 |
平成21年 | 大豆あん入りのとち餅とよもぎ餅販売。 |
平成22年 | いぶき在来そばを土日祝日のみ20食限定で、売店喫茶麻心magokoroにて始める。 |
平成29年 | 農事組合法人 甲津原営農組合 漬物加工部となる。 クラウドファンディングで支援を募り、漬物などのネーミングとラベルデザインを一新。 奥伊吹「甲津原育ち」と名付ける。 産地ブランド発掘事業で「そばプリン」を作る。 |
令和元年 | 旧代表者の山﨑トミ子が滋賀県農林水産功労賞を受章 |
令和2年 | 令和2年度優良ふるさと食品中央コンクール、国産農林産品利用部門で、「奥伊吹甲津原育ち」そばプリンが、滋賀県代表に選ばれる。 令和2年11月3日 旧代表者山﨑トミ子が、内閣総理大臣菅義偉さまから、多年農産物加工業に従事し斯業の発展に尽力したと黄綬褒章を受章 |
令和3年 | 令和2年度優良ふるさと食品中央コンクールで『「奥伊吹甲津原育ち」そばプリン』が、国産農林産品利用部門において、農林水産省食料産業局長賞を受賞。 |