「こんなに雪が降らなかったことはなかった、気候や湿度によって成長も収穫の時期も違う」
昨年の春、甲津原生まれ育ちのおばあさんと、一緒にワラビを摘んでいるときお聞きしました。
例年は、どっさりつもった雪がとけて、草木が芽吹きはじめ、春の気配を感じるはずが、ここのところ甲津原には雪があまり積もりません。
ワラビ摘み初心者のわたしは、しばらくじっと見つめていないと、どれがワラビだか見分けられません。
今でも天日干しをされているお家をみかけますが、昔はどこの家でもアクをぬいて干して、1年分を保存していたそうです。
いろいろお話を聞きながら、自然と対話しながら暮らしてきたおばあさんの言葉は、つくづく自然だなあと感じました。
甲津原に住むまでは、旬の山菜や山野草が食卓にあがることがなかったので、摘みたてのワラビを手にしたところでお料理のイメージが浮かばず…
くわえて、ワラビには「アクぬき」が必要です。
その言葉の雰囲気だけで、手間がかかりそう、うまくアクがぬけるの? 不安がよぎります。
ところが、教えていただいた通りに灰をつかってアクぬきをしたら、とても簡単で拍子ぬけしました。
そして今年の春は、なんとツバキの葉でアクぬきに挑戦しました!
京都にお住まいの山野草博士バカボンさんこと、福永重孝さんと奥さまに教えていただきました。
手順は、ワラビの上に椿の葉を敷きつめ、沸騰したお湯を注ぎ、浮かないように重しをのせて一晩置くだけ、簡単です。
お湯を注いでいるときから、アクがじわじわ広がって、野性味を感じます。
熱湯をそそいだ葉のゆで汁はアルカリ性で、灰や重曹とおなじくアクがぬけるそうです。
翌朝、口にするとすっかりアクはぬけていてよい食感、驚きでした!
今年は早速、ワラビとベーコンと舞茸でペペロンチーノ、フキと炊いたり…
春の味覚を楽しむことにも少し慣れてきました。
「ピクルスにして保存した」とおばあさんに話したら、
「わたしも毎年ポン酢につけてるよ」と教えてくれました。
山の薬膳ごはんよもぎの上野さんは、灰とツバキの葉の両方でアクぬきをされ、比較されていました。
「仕上がりの色は、灰のほうが綺麗かな、調理をしてみると、どちらも美味しいけれど、ツバキのほうが食感がしっかりしている。ワラビらしいぬめりは灰のほうがあるかな、つかいわけたい」とのことです。
たしかに、昨年とは色と食感が違うようにも感じますが、ツバキの木が好きなわたしには、お気に入りの方法になりました。
上野さんはツクシもピクルスにされたり、季節ごとの自然と向き合われ、丁寧に活用されているため、里山暮らしを楽しむヒントをいただけます。
ちなみにワラビの収穫期はながく、道の駅(旬彩の森)では、2か月近くならんでいるのではないでしょうか。(先日まだありました)
○ 甲津原のワラビは喫茶麻心の山菜うどん、甲津原漬物加工部の山菜弁当(予約制)でいただけますので、みなさまぜひあじわってください!
○ よもぎ 上野さんのインタビューもぜひどうぞ→★
おまけ(知らないことだらけです)
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