絵本『麻の里』が完成しました

レポート

米原市甲津原のむかし話が絵本になりました!
お子さまからご高齢の方まで、手にとって読んでいただける絵本です。

雪が深く閉ざされた冬、甲津原のお母さんたちの大切な手仕事は、麻で家族の着物を織ることでした。
田植えが終わると麻の種をまき、お盆前には収穫し、いくつもの手のかかる工程をへて仕上がりました。

50年ほど前までくりかえし織られてきた着物は、今もみなさん大切にされており、集落の神事「オコナイ」では必ず着用されます。

絵本『麻の里』は、麻を題材に、四季折々の甲津原、季節のうつろいとともにある山や草木花の色、実り、動物、人の暮らしや習慣が物語として、紡ぎ織られ描かれています。

衣食住は自給自足、自然とともにある山の暮らし。
戦争がおわり、なにもかも変化してゆく時代を生きてこられたおじいさん、おばあさんたちは、今もお元気に畑をされています。

麻だけでなく、ヨモギ、面さま、お米、十薬、トチ、刈安、秋ミョウガ、甲津原の自然がたっぷりです。

甲津原アーカイ部では、古き良きものごとを守り残すことだけではなく、豊かな自然の新たな活用、楽しみかたなど、未来への視点も意識、創造することが大切だと感じています。
絵本『麻の里』も、自然と人のかかわり、甲津原の文化や風習を未来へつなぐ一冊になればと願って作りました。

絵本を製作するにあたり、きっかけをくださった高橋大吉さん、くりかえし何度も絵を描き、仕上げてくださったイラストレーターの牛尾千聖さん、集落のみなさまに心より感謝しております。

麻織物は甲津原にある奥伊吹ふるさと伝承館でも展示されています。
甲津原へお越しの際にはご覧ください。
(冬季休館)

コメント

  1. iso より:

    ほっこりさせてくれる絵本ですね。
    物語は里のうつろいがのんびりと語られ、絵はほのぼのとして温かみを感じます。
    童がとても可愛いです。

    麻を忘れずに、大切に残していきたい絵本です。